…ザッ、ザッ、ザッ、ザッ、
(…来たみたいですね)
「ィよう、もう来てたのか。すまねぇ、遅れちまったか?」
「おはようございます。
チャリッ…
…大丈夫ですよ、時間まではまだ30分あります。私が早く来すぎたんです。」
「そうか? んなら良いんだがよ。」
「ロロノアこそ、どうしたんですか? てっきり来てはくれないものだと思ってたのですが…」
「あぁ? オレは約束したことは守る方だぜ?」
ドカッ
「そうでしたね。あなたはそういうヒトでした。」
トスッ
「…ところで、まだ30分もあるって、テメーはいつからココにいるんだよ?」
「エッ!? えーと、9時には着きましたから、大体三十分前からですね。」
「オイオイ、一時間も前に着いたのかよ。…なんだ? そんなにオレに逢いたかったのか()」
「ッ、ちッ、違いますよッ!//// 約束してもらったのに、遅れるわけにはいかないじゃないですかッ!!」
「ヘッ… あー、分かってるよ。おまえはそういうヤツだ。 …それにしたって、早すぎるだろ」
(…ッんだよ、ずいぶん待たせちまったみてーだな…)
「あッ、いえ、そ、その… いつもは午後からココでトレーニングしてるんですよ。でも、絶対に遅刻なんかできないって思って早めに出たんです…」
「…」
「そ、そしたら、今日は珍しく全然迷わなくて、お、思ったよりも早く着きすぎちゃって… でもッ、そういうロロノアこそ、約束の時間まではずいぶんありますよ?」
「あ? あー、まあ、その、なんだ… 似たようなモンだ、気にすんなッ」
「はあ…」
「…」
「…」
「…そういや、よ。」
「はいッ? なんです?」
「おめー、普段はどんなことしてんだ?」
「普段してること、ですか?」
「そーだ。」
「…なんでそんなこと、海賊であるあなたに教えなくてはならないのですか?」
「…そういや、そうだな。や、わりぃ、今のはなかったことにしてくれ。」
「あ、いえ、その… 別に大したことをしているわけでもないのですけど、一応、その…」
「あー、分かってるって。きちんとケジメはつけたいってコトだろ。いちいち気にすんな。」
「す、すみません… ところで、どうしたんですか? 突然そんなことを訊いたりして…」
「…その、なんだ。ちっと気になってよ。おめー、おん…じゃねー、見た目…でもねー、なんだ、その…」
「女だから、なんなんですか!!? ハッキリ言って下さいッ!!」
「う、おぅ。だから、おめーはよ、その… アレだ、割に、強ぇじゃねーか。速いし、太刀筋も、悪くねー… だからどんなトレーニングをしてんのか、ちっと気になっただけだ。そんだけだ、そんだけッ!」
「…は? え、と… 普段してるコトって、トレーニングの内容のことでしたか?」
「ん? なんだと思ってんだ??」
「あぁ、いえ。てっきり海軍としての仕事のことかとばかり…」
「んなモン、興味ねーよ。」
「で、ですよね。はははは()」
「…」
「…」
「…そろそろ時間じゃねーか?」
ザリッ
「あ、そうですね…」
ザッ
「そうだッ!! 一つ、賭けをしましょうッ」
「…ほう… 何を、賭ける?」
「もし、万が一にもあなたが私に勝てれば、私の普段してることをお話ししましょう。」
「なるほど、おもしれー… だったら、もし億に一つでも、おまえがオレに勝てたんなら、オレが普段してることを教えてやるよ。ついでに
ガシャッ
コレもくれてやる。」
「いいですね。それで良いですよ。」
シュッ
「ヘッ…」
シャッ キンッ
「フゥッ… 三本目、抜かせて見せますッ」
「はッ… まだ早ーよ。」
「… では、いきますよ?」
「おうッ、来いッ!」
「いざ… 勝負ッ!!」


後書き